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聴覚障害者に対するがん支援①

みなさん、こんにちは。



突然ですが
「ユニバーサルデザイン」
を知っていますか?

「なるべく多くの人が使いやすいデザイン」ということだそうです。「バリアフリー」という言葉と比べるとわかりやすくなります。


バリアフリー→バリア(障壁)をなくす

ユニバーサルデザイン→最初からバリアがない状態。バリアを作らないという考え方

だそうです。

 

有名なユニバーサルデザインがあります。

お風呂のシャンプーたちです。ここにそのデザインがあります。

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注目はココ!
手のひらで押すところを見てください!

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凹凸がついています。

これ、目の不自由な方がシャンプーとコンディショナー剤を区別できるよう、つけられたものだそう。

横にもギザギザが着いています。

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これを考え出したのは「花王」です。目の不自由な方から、シャンプーとリンス、どっちがどっちだかわからず苦労しているという意見があり、このデザインを考え出したそう。「一目瞭然」ならぬ「一触瞭然。」花王は実用新案を無料で公開し、今ではほとんどのメーカーのシャンプーに凹凸がつけられているそうです。

 


私たちがいつもお世話になっている病院にも、ユニバーサルデザインはありますよ。


会計時の表示板。自分の会計を待つとき見る表示板ね。自分の番号が来ると、チカチカ点滅しますよね。これは、ろう者、健聴者ともにわかりやすくする工夫です。


エレベーター乗るときに「一階です」とか流れるアナウンスだってそう。身の回りにけっこうあったりします。

 



さて、このユニバーサルデザイン、なんでご紹介したのかというと・・・

今年の5月、都内のとある場所で、私・さくえもんは、このユニバーサルデザインに関する講演を聞く機会がありました。その講演があまりにも目からウロコのことが多く、感銘を受けた次第。ワンステップ!でも是非ご紹介&考えたいと思い、やっとそのときがやってきたというわけです!

その講演をした方は・・・松森果林さん。ろう者です。

 

松森果林さん

小学校4年生で右耳が聞こえないことに気づき、高校2年生で聴力を失いました。水の音も、風の音も、音楽も、弟や妹、両親が自分を呼ぶ声も、すべてが聞こえなくなりました。専門学校に進学しようとするも、「聞こえない」という理由で受け入れ拒否。「日本という国は障害者になっただけで、ひとりでは何するのも大変な国だったんだ」と思ったそうです。支えてくれたのはご両親。「人が何年かかってもできない経験を17年間でできた。それは必ず将来につながる」と励ましてくれたそうです。その後、日本初の視覚・聴覚障害者のための国立大学、筑波技術短期大学に進学。出会った恩師の「聞こえないことで被る不便さは、バリアを生む社会システムに問題がある」の言葉に突き動かされます。そしてディズニーランドに就職しました。

 

ディズニーランドでは、さまざまなユニバーサルデザインの提案を持ちかけ、実現させたそうですよ。

・手話ができるキャストは100人以上
・アトラクションの音声が文字表記される「字幕表示システム」
・車椅子でも近づけて、親子が自然と向き合える水飲み場
・シンデレラ城の模型やキャラクターの模型

※残念ながら写真は許可出ませんでした。ディズニーランドのHPで見てくださいね。

 

模型は、目の不自由な方が、触って形がわかるようにするためのものです。どのキャラクターも腕を伸ばす格好をしています。これ、意味があります。そこに触れていくと、キャラクターと自然と「握手」するようになる仕掛け。すごいね。それ触っている子の笑顔が浮かぶよ。

現在松森さんは独立し、ユニバーサルデザインの普及、聞こえない者にも、誰にとっても暮らしやすい社会を実現させるべく、活動しています。NHKの手話講座にも出ているそうです。

 

いやー、知らないことが世の中にはたくさんあるし、すごい人はいるものですね。

 

さてさて。

松森さんは生活の場面でさまざまな不便なことを訴え、それを変えてきたわけですが、「病気」に対しては触れませんでした。一応、「肺がん患者の会 ワンステップ!」なわけですから、ちょっと考えてみます。

がんを患ったろう者は、そもそも病院で不便な思いをして困っているのでしょうか?

困っているとすれば、それはどんな時なのでしょう?


 

想像してみます。

例えば・・・

がん患者であれば、診察に1時間かかることもあります。診察時にはいつも手話通訳者がいるのでしょうか?もし、この場に手話通訳者がいなかったら・・・考えただけでゾッとします。

 

例えば・・・

レントゲンを撮るとき。「はい、じゃあ、息吸って~。はい、止めて!」っていつものこの合図、聞こえないわけですよね。どうしているんでしょう?

 

例えば・・・

バリウム飲んでやる胃の検査はどうするのか・・・?あれ、ナナメになるよ。体勢も変える。そういえば、外国の方があの台から落ちて、亡くなった事故もあったよ。

 

うーむ。。。

すごく大変で困っている気がしてきました。

いや、間違いなく困っている。

 

ということではじめます。

がんを患ったろう者は、どんなところに困っているのか?

それに対する支援はどこまであるのか?

調べてみることにいたしました。

 

今回はここまで。続きます。

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